「オランダの看取り ~安楽死も選択肢~」講演会が行われました。
平成27年4月14日、シャボットあかね先生を招いて「オランダの看取り~安楽死も選択肢~」というテーマで、ご講演を頂きました。シャボットあかねさんは、父はアメリカ人、母は日本人、夫はオランダ人、現在、オランダに在住で通訳、コーディネート、執筆家としてご活躍の方です。エピソードとして、オランダの要人が天皇陛下に表敬訪問された時にも通訳として同席されたと紹介されました。
オランダでは、年間約4000人近くの人が安楽死をしているそうです。また、自殺について、10万人あたり日本は24.4人(8番目)に対して、オランダでは9.3人(48番目)であることも紹介されました。安楽死を認めるオランダの医療背景には、長い歴史の中ら構築された個人の自己決定は第一に尊重され、自己決定の尊重のためには、相手の自己決定も尊重するという徹底した個人主義とオープンな議論がされていることを知りました。また、ホームドクター制度から医師への強い信頼のもとに医療が展開されていることも実感しました。
日本の医療では、緩和医療の登場と共に、終末期医療の在り方、人生の最期の迎え方などが議論されてきています。今回、シャボットあかねさんによる、オランダの安楽死についての ご講演は、安楽死の是非についても考えさせられましたが、より良く生き、より良い死の在り方について考えさせられた貴重な時間でした。
看護部長 森國秀美