社会医療法人 社会福祉法人 松涛会

  1. 医療通信

医療通信

朝の一言

  • カテゴリー:安岡病院
  • 投稿日:

心のケアをさせていただく中で

緩和病棟で心のケアをさせて頂くようになって2年3ヶ月になろうとしています。
最近、未熟なわたしがケアをさせて頂くのではなく、患者さんや家族の方々に、どんなに多く教えて頂いているだろうかと思います。そしてケアは決して一方的なものではないのではとも感じています。
健康を与えられている医療従事者が、病気の方々やご家族に一方的にケアを提供するのではなく、ケアさせて頂く中で、医療従事者もケアされ癒されていると思っています。患者さんやご家族から、優しさ、素直さ、礼儀正しさ、感謝の心や、他者への思いやりなど学ぶことが沢山あります。
年老いたから、病気になったから駄目なのではなく、年老われたから、病気になったから伝えることの出来る貴重なメッセージがあることを知り、今、与えられている仕事を心から感謝しています。
まもなく101歳になられる日野原重明先生は「齢を重ねた自分の存在が、未来を生きる人々のためにこそある」と言われています。
旧約聖書のイザヤ書に「わたしの目にあなたは価高く、尊い、わたしはあなたを愛している」と書かれています。
私たちを創造された神様は、私たちがどんな状態であっても、健康でも、病気でも、人生経験が、社会経験が豊かでも、そうでなくても、一人一人を尊いと言ってくださり愛して下さっています。このメッセージを益々感謝して受け止め、伝える者でありたいと願います。
患者さんたちは「お見舞いに来てくれる人はいる。でもわたしと一緒にいるために来てくれる人はほとんどいない」と言われます。私の知人で、大阪で長く心のケアをされた方、現在もされている方々がいます。彼らの素晴らしいお手本に学びつつ、今、与えられている仕事を心から感謝し、病む人の魂の語りかけに耳を傾ける者になりたいと願います。

朝の一言(2012.8.28)より
※松涛会グループの各拠点では毎朝、松下幸之助の朗読、朝の一言を行っています。

 

安岡病院緩和ケア病棟
看護師 吉岡陽子

 

103-1

朝の一言

  • カテゴリー:安岡病院
  • 投稿日:

日本医療機能評価機構受審の準備をしながら、時々思い出していた言葉があります。
小説家の村上春樹氏が「走ることについて」書かれた本があります。
あるマラソンランナーがインタビューで「マラソンのレース中にあなたは何を心の中で唱えながら走っていますか?」と問われた時に答えた言葉です。原文は英語ですが、日本語に訳すと「苦痛は避けがたいが、苦悩には選択肢がある。」となります。「レースからくる苦痛は避けがたいけれど、その苦痛をどのように捉えるのかは、自分に選択肢がある。」と彼は心の中で唱えながら、42.195kmを走りきるようです。
この言葉を医療の現場で置き換えてみますと「癌や認知症、神経難病に選ばれたことは避けがたいけれど、それらの病を抱え苦悩しながらもどのように生きるかは、選択肢がある。」となるかと思います。選択肢を可能性、希望と言い換えても良いかもしれません。
医療人として、患者様やご家族の生きる選択肢を広げるお手伝いができ、難しいことですがそれが自身の生きがいとなればこれに勝るものはないかもしれません。
毎朝、当院で唱和している「あなたの歓びが私の生きがいです」という松涛会グループ全体の理念は、このことを言っていると思っています。
来週は、待ちに待った日本医療機能評価受審日がやってきます。受審は避けがたいけれど、当院のありのままのケアをみてもらえれば、道は開けると思います。それぞれの持ち場で、最善を尽くしましょう。

朝の一言(2012.8.1)より
※松涛会グループの各拠点では毎朝、松下幸之助の朗読、朝の一言を行っています。

 

安岡病院
副院長 戸田健一

 

99-1

朝の一言

  • カテゴリー:安岡病院
  • 投稿日:

今年春、看護学校を卒業し、准看護師になりました。
看護学校での2年間は、仕事との両立、課題や試験勉強に追われ、毎日が大変でした。
社会人になってからの学生生活は、高校を卒業したばかりの人、私と同じように色々な職業を経験した後に看護師を目指す人、家庭を持ち、子育てをしている人、年齢も環境も違うクラスメイト達と同じ目標を持ち、みんなそれぞれ仕事や子育てと両立しながら勉強し、一緒に励まし合い助け合いながら2年間を過ごしました。
3月に迎えた卒業式は、今まで経験してきた卒業式の中で一番感動し思い出に残る式となりました。
今、振り返ってみると、あっという間の2年間で辛かった日々も良い思い出。とても良い経験ができたと思います。

4月から准看護師として働きだし、1ヶ月半が経ちました。
先輩方の指導の下、看護技術や記録に四苦八苦していますが、毎日充実しています。
准看護師としての自覚をしっかり持ち、これから頑張っていこうと思います。

朝の一言(2012.5.16)より
※松涛会グループの各拠点では毎朝、松下幸之助の朗読、朝の一言を行っています。

 

安岡病院3病棟
准看護師 高山朋子

 

92-1

朝の一言

  • カテゴリー:安岡病院
  • 投稿日:

仕事と育児

私は、安岡病院で出産前より勤務し、現在も2人の子供の育児をしながら働いています。
様々な出産・育児に関する体制があり、とても助けられています。産休・育児休業では、子供との時間をゆっくりととることができました。
託児所の赤ちゃんホームは、家庭的な雰囲気で、近くにいる安心感がありました。子供がなかなか家に帰りたがらず、駐車場から託児所のある2階の窓に向かってずっと手を振っていたときもあります。
仕事と育児のバランスが上手くとれず、悩むこともありました。そんなとき、周りのスタッフからの「お母さんが頑張ってるの子供も解っているよ。」「自分もそうだったから解るよ。」といった言葉に助けられました。
子供からも「保育園で寂しいけど、ママの為に頑張ってるよ。」と言ってくれて、自分が母親として踏ん張らないといけないなと思っています。
これからも色々悩むことがあるかも知れませんが、頑張っていきたいです。

朝の一言(2012.4.6)より
※松涛会グループの各拠点では毎朝、松下幸之助の朗読、朝の一言を行っています。

 

安岡病院1病棟
看護師 近藤真理子

 

88-1

朝の一言

  • カテゴリー:安岡病院
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医療に使われるX線の話

福島原発の事故で国民の放射線への関心が高まっています。
医療用のX線も放射線の一つですがX線写真を撮った場合の体への影響を考えた時に、私たちは普通に生活する中で、いつも放射線にさらされているということを知っておく必要があります。それは宇宙線や、大地、食べ物、空気中などからの自然放射線です。自然放射線によって人体に害があるということはありません。その量は1年間に約2.4ミリシーベルト(mSv)です。Svは放射線の体への影響の度合いを表す単位です。ブラジルやインドのある地域では10mSvのところもありますが、その地方に障害が多いということはありません。
それでは医療でよく使われる胸部X線撮影ではどれくらいの量になるかといいますと約0.1mSvです。自然放射線の24分の1、すなわち胸部を24回撮ると初めて自然放射線と同じになります。自然放射線で障害が出ることはありませんので胸部X線撮影で障害が出ることを心配する必要はありません。頭部CTでは約2.5mSv、腹部CTで約6.8mSvですが自然放射線と比べても低い線量であるといえます。
放射線室に来た時に私はもういいから、もういらないから・・・とか言う人がよくいますが、何がもういらないのか考えてみますと、子供はもういらないということのようです。一時的にせよ不妊になる線量は女性の場合、生殖線に一度に650~1500mSvの放射線を浴びた場合です。それ以下の線量で不妊になることはありません。胸部撮影の約1万回分と考えていいと思います。一般人がこのような大量の被曝をすることはまずありえません。ですからX線検査で子供ができなくなることは絶対にありません。もういいとか、もういらないという言葉はもういらない。
では、放射線防護はなぜ必要かと言いますと、100mSv以上の大量の放射線を浴びた場合、将来的に癌になる確率が0.5%増えるということが原爆被害者の疫学的調査で確認されています。ところがX線撮影などの100mSv以下の少ない線量では癌が発生するかどうかはっきり分かっていません。低線量の世界は「ブラックボックス」「ミステリー」なのです。分かっていないけれども受ける放射線の量に比例して癌が発生すると考えて、出来るだけ受けないようにすることが大切なのです。
患者さんの被曝を少なくすること、さらに周囲の人に対するX線防護を確実にすることも私たちの業務です。周囲に飛散するX線は散乱線と言われ患者さんに当たるX線よりはるかに少ないものです。受ける時間を短く、距離をとって、遮蔽をする、この放射線防護の3原則を守れば確実に防げます。ポータブル撮影なら2m以上距離をとれば安全です。
放射線は医療には欠かせないものですが利益と危険の二面性を合わせ持った両刃の剣にほかなりません。正しい知識を持って正しく恐れること、これが大切です。

朝の一言(2012.2.14)より
※松涛会グループの各拠点では毎朝、松下幸之助の朗読、朝の一言を行っています。

 

安岡病院
放射線室 大口幸男

 

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